かずひさ

陰陽五行説とは? – 陰陽説と五行説のハイブリット理論【四柱推命】

四柱推命における理論の根本を成すのが陰陽五行説(おんみょうごぎょうせつ)です。陰陽五行説は厳密に言えば「陰陽説」と「五行説」の二つの理論が合わさったものです。

陰陽説(おんみょうせつ)とは宇宙を陰と陽の二つの側面に分けて、あらゆる物の成り立ちは陰と陽のバランスにより説明できるという理論です。

五行説(ごぎょうせつ)は宇宙で発生する全ての現象は木火土金水の五つの要素の働きによって起こるものとして、森羅万象のあらゆるものに木火土金水のうちいずれかを配して論じる理論です。木火土金水を総称して五行と呼びます。

陰陽説と五行説がリンクして陰陽五行説となります。陰陽五行説では木火土金水の五行がさらに陰陽の側面を持つこととなります。これは特に四柱推命で使われる十干(じゅっかん)という理論において顕著です。

十干についての詳しい説明は記事を改めますが、簡単に言えば木火土金水がそれぞれ陰陽の側面を持ち、陽の木、陰の木、陽の火、陰の火、陽の土、陰の土、陽の金、陰の金、陽の水、陰の水と展開します。

このように、陰陽五行説は陰陽説と五行説がハイブリットになることで、理論としてより深淵なものとなります。

陰陽説の陰と陽の二点を直線的に行き来する単純な運動に五行の多角的な運動が加わる事で、あるいは五行説の平面的な五角形のサイクルに陰と陽の光と影のコントラストが加わる事で、より立体的な空間と時間の概念が生まれるのです。

陰陽五行説は東洋のあらゆる思想のバックグラウンドとなり、暦や医術、そして占術の根本理論になりました。

四柱推命においても同様で、四柱推命がその応用術において、その他の占術と互換性が高いのは、普遍的なアルゴリズムである陰陽五行説を背景にしているからに他なりません。

それでは陰陽五行説の具体的な解説に移りましょう。

先ほどご説明したように陰陽五行説は「陰陽説」と「五行説」の二つの理論の総称であるため、二者に分けてそれぞれの成り立ちと特徴を整理したいと思います。

陰陽説

冒頭でも少し触れましたが、陰陽説では物事の様相を二極的に捉え、対象が陰なのか陽なのか、あるいは陰と陽がどういったバランスで配合されているのかを測ります。

それは一種の作用と反作用の関係でもあります。

陰陽説では陰と陽のあいだを振り子のように行き来する直線的な因果関係として宇宙を観察します。

光があれば必ず影ができ、裏があるものには必ず表もあります。暑さがあるから、寒さがあります。左があるから右があります。また明るさを極めれば、その後は暗くなる方向へ進み、暗さを極めれば、その後は明るくなる方向へと進みます。上にあるものは下へ落ち、生きるものは必ず死にます。

このように、陰陽の関係性は陰は陽へと引き付けられ、陽は陰へと引き付けられます。あるいは陰は極まって陽となり、陽は極まって陰となります。

太極

この図は見たことのある方が多いのではないでしょうか。これは太極図といって、陰陽説の思想をシンプルな図で表したものです。

白い部分が陽を表し、黒い部分が陰を表します。それぞれ勾玉のような形をしており、溶け合うように混ざり合っています。宇宙は陰と陽が混ざり合い、絡み合いながら成り立っているという事を説明した表現です。

よく見ると白い部分にも黒い円形の部分があり、黒い部分にも白の円形があります。これらは「陽中の陰」「陰中の陽」と呼ばれます。陽に見えるものの中にも陰が含まれ、陰に見えるものの中にも陽が含まれるのだという説明です。

「陽」を象徴するもの

光、剛、太陽、男、父、表、天、上、左、春、夏、生、増、上半身、手、霊魂、外、積極、能動

「陰」を象徴するもの

闇、柔、月、女、母、裏、地、下、右、秋、冬、死、減、下半身、足、身体、内、消極、受動

筆者
ここでは陰と陽のそれぞれのイメージを掴むことが大事です。

太極を表した文字「易」

「易」という字は「日」と「勿」で成り立ちます。

「日」は文字通り、太陽を表し、陽を象徴します。

「勿」については次の二つの説が有力です。

「勿」はトカゲであるという説

「勿」の字を見ると足が四本ある生き物のように見えます。また既に述べたとおり、陰陽説は陰と陽のあいだを振り子のように行ったり来たりします。振り子が常に揺れているように、物事は絶え間なく変化します。トカゲの仲間であるカメレオンは環境に合わせて皮膚の色を変えます。陰陽説とトカゲに共通するのは「変化する」という事です。こうした論点から、「勿」はトカゲであるという説です。

「勿」は「月」であるという説

「勿」の字は「月」の変形であるという説です。月は上記の「陰を象徴するもの」で紹介したように、陰を象徴します。「日」が太陽の陽で「月」が月の陰であるとすれば、「易」という字は太極を表す文字であるといえます。

筆者
多くの占術家は上記二者のどちらかを支持する事が多いようですが、私はよりフラットな観点から、両方を方便によって使い分けます。陰陽とは確かにトカゲ(カメレオン)の皮膚のように変化するし、「易」は「日」と「月」の組み合わせで、太極を表した文字であるというロジックは素晴らしいと思うからです。

「易」という字が太極を表したものであるならば、”陰陽は易である”といえます。また易といえば単一の占術でもあり、それだけで十分物事の吉凶を判断する事ができます。

どうして四柱推命に易が関係あるのかと思われるかもしれませんが、陰陽説を理解するうえで、易の理解は欠かせません。巷の四柱推命の書籍では易の説明は省かれ、別の畑の出来事のように扱われます。

しかしながら、易は十二支や干合など、四柱推命において大部分を占める重要な理論の背景にもなっている為、四柱推命をロジカルな視点で理解するうえで避けて通れません。

確かに易を理解していなくても、六神の象意や神殺を暗記していれば、占いは可能ですが、教科書から外れたより具体的な、より深い象意を言語化したいとなった時に、易を知らないと思考停止に陥ります。結果、紫微斗数や九星気学、ホロスコープなど、他の占術の手を借りざるをえなくなります。四柱推命には他の占術の手をかりなくとも、単体でズバズバと占断できる潜在能力があります。その性能を最大限に引き出すには、ここで紹介する易などの根本理論をいかに理解しているかどうかが肝心となります。

易の誕生

中国の古代神話に登場する伏羲(ふっき)が発明したとされています。伏羲は女媧、神農と共に三皇の一人に数えられています。

河図(かと)

中国の神話に登場する伏羲(ふっき)はある時、黄河から出現した竜馬を見て八卦を思いたとされています。その竜馬は体に不思議な模様を持っていました。それが河図と呼ばれるものです。以下がその図形です。

そこには1~10までの数字が黒と白の点で表れていました。これをわかりやすく数字に置き換えると以下のようになります。

2,7
3,8 5,10 4,9
1,6

この河図は次に紹介する洛書と比べて、占術における使用頻度は少ないですが、根本的な理論として、把握しておいて損はありません。四柱推命においては干合(かんごう)という理論のバックグラウンドになっており、表立ってはいないものの、縁の下で重要な働きをしています。

洛書(らくしょ)

洛書(らくしょ)は夏王朝の創始者である兎が発見したとされています。ある時、下図のような白点と黒点のパターンが亀の甲羅の上に表れました。これが洛書(らくしょ)と呼ばれるものです。先述の河図に比べて、易を始め風水や気学などでも幅広く使われている理論です。

これをわかりやすく数字に置き換えると以下のようになります。

4 9 2
3 5 7
8 1 6

この配列には特別な意味があり、縦、横、斜めのそれぞれ三つの数字を足すと必ず15になります。数学的な面白さを含んだ古代の神秘的な図です。それゆえ魔方陣と呼ばれたりもします。

これは兵法にも使われました。縦、横、斜めそれぞれが必ず15になるため、陣地の中央を守る際、限られた兵をこのような形で配置すれば、どこから攻められても必ず15人で防衛することができるからです。

筆者
洛書は東洋占術で多用されます。基礎知識として必ず暗記しましょう。通常書く時は5から始めます。5→6→7→8→9→1→2→3→4と指でなぞって下さい。この動きを覚えます。

八卦(はっけ)

八卦は四柱推命においては十二支と関わりがあるため、基礎知識として勉強しておかねばなりません。

八卦といえば、”当たるも八卦、当たらぬも八卦”ということわざが有名です。現在の日本では「ハッケ」といえばどこか胡散臭いイメージが強いかもしれません。

八卦は本来二元論である陰陽説がより現実的な広がりを持つべく生まれたものです。

畢竟、宇宙は完全な陰と完全な陽のみで成り立っているのではありません。陰と陽のあいだには無限の配合があります。陰を多く含み陽を少し含んだもの、陰を少し含み陽を多く含んだものなど、宇宙ではそれらが複雑に混ざり合っています。

そうした無限の配合の中から、宇宙を構成する8つの特徴に焦点を当てたのが、八卦です。

八卦や易では陰と陽を表すのに象徴的な記号が用いられます。下の図をご覧ください。

上の二本線で表されるのが陰、下の一本線で表されるのが陽です。

  1.  乾(けん)・天
  2.  兌(だ)・沢(川)
  3.  離(り)・火
  4.  震(しん)・雷
  5.  巽(そん)・風
  6.  坎(かん)・水
  7.  艮(ごん)・山
  8.  坤(こん)・地

八卦の成り立ちは極めてロジカルです。それは数学的なロジックに支配されています。

二進数は1と0の二つの数字のみであらゆる数を表現します。たとえば5という数字は二進数で表すと101になります。

1と0はONとOFFを表し、有と無を表します。これは陰陽説と明らかに通じます。

以下の二進数と比べてみてください。先ほどの例で言うと、101は角度を左に90度回転させれば離と同じ形になります。同じように二進数の角度を左に90度回転させれば八卦と対応しているのがわかります。

整数 二進数 同じ形の八卦
0 000  坤
1 001  艮
2 010  坎
3 011  巽
4 100  震
5 101  離
6 110  兌
7 111  乾

このことから、しばしば古代中国では二進数が既に発見されていたと言われています。

現代はコンピューターの内部で二進法が多用されています。二進数は英語でバイナリ(binary)と呼ばれます。バイナリにはビットレートがあります。ビットレートはそのまま何桁を扱うかで決まります。例えば二進数で「1、0」は1桁なので1ビットです。上記表に示した「000、001、010、011、100、101、110、111」は3桁なので3ビットです。3ビットの世界はこの八つの数字で完結します。つまり、八卦はコンピューターでいうところの3ビットの世界であるといえます。

すなわち3ビットのバイナリで宇宙をデフォルメしたのが八卦なのです。

先天図

河図の説明で申し上げた通り、八卦は黄河から出現した竜馬を見た伏羲が思いつきました。伏羲はさらに八卦を3×3マスの平面図上に展開しました。それが以下の先天図です。

南東

南西

西

北東

北西

この図は地図上の東西南北とリンクしています。先天図では乾が南で坤が北です。完全な陽である乾と完全な陰である坤を対照的な位置に配している点では理にかなっています。

しかしながら、先天図は今日では一般的ではありません。様々な占術においては次に紹介する後天図の方が幅広く使われています。

筆者
東洋占術の世界では一般的に南が上に来ます。太陽の黄道が南にあるため、これを重んじるのです。世界地図とは向きが逆なので注意しなければなりません。

後天図

先天図が生まれたずっと後に後天図が生まれました。発明したのは『易経』を著した文王であると言われています。

南東

南西

西

北東

北西

実際の占術では基本的にこの後天図が使われます。先天図を暗記する必要はありませんが、この後天図は十二支の理論にも対応しているため、四柱推命を始め、東洋占術を勉強するなら必ず覚えなくてはなりません。

洛書と後天図の融合

また後天図は洛書と結びつきました。洛書は河図に比べてより広く認知されており、あらゆる占術のバックボーンになっています。それは洛書が後天図と結びついた事を皮切りに、あらゆる理論を取り込み、より深淵なスケールとして展開した事によります。

以下に洛書を土台として、各宮に配置された様々な意味を含めたチャートを掲載します。

4
【八卦】巽 【方位】南東 【季節】春 【五行】木 【十二支】辰巳 【九星】四緑木星
9
【八卦】離 【方位】南 【季節】夏 【五行】火 【十二支】午 【九星】九紫火星
2
【八卦】坤 【方位】南西 【季節】土用 【五行】土 【十二支】未申 【九星】二黒土星
3
【八卦】震 【方位】東 【季節】春 【五行】木 【十二支】卯 【九星】三碧木星
5
【八卦】なし 【方位】中央 【季節】なし 【五行】土 【十二支】なし 【九星】五黄土星
7
【八卦】兌 【方位】西 【季節】秋 【五行】金 【十二支】酉 【九星】七赤金星
8
【八卦】艮 【方位】北東 【季節】土用 【五行】土 【十二支】丑寅 【九星】八白土星
1
【八卦】坎 【方位】北 【季節】冬 【五行】水 【十二支】子 【九星】一白水星
6
【八卦】乾 【方位】北西 【季節】秋 【五行】金 【十二支】戌亥 【九星】六白金星
筆者
この図にはまだ説明していない理論も含んでいますが、当サイトの『四柱推命の教科書』を全て読めば、一目で理解できるようになります。この図は重要ですので、いずれ暗記しなければなりません。

四柱推命でも実占でこの洛書を使う場面があります。既に四柱推命を学ばれた方は、洛書を使うと聞いて頭に疑問符が浮かぶかもしれませんが、四柱推命の応用術として方位を占う際に使います。

例えば金の五行が用神(命式にとって好ましい事)の人が、五黄土星の日に旅行する場合、吉の方位は北西か西です。なぜなら、上記の図で北西と西には金の五行が出ているからです。と、このように見る事が出来ます。

こうした見方は本来、基本を一通り勉強してからでないと扱えません。四柱推命で方位を見る、あるいは命名における吉名を判断するなどの応用術を扱えるようになるには、やはり基礎をしっかりと学んでおく必要があります。

易経

『易経』はもはや、独立した占術としての易占の為のテキストであるため、四柱推命とは関連が薄くなります。ここで注意を促したいのは、四柱推命の為に易を理解するうえで、易経を読んでもあまりプラスにはなりません。四柱推命が五術における命占だとしたら、易経は易の卜占の領域である易占を扱う書だからです。

 

「易」と「易経」と「易占」の違い

類似語として、「易」と「易経」と「易占」は明確に使い分けるべきです。

「易」は風水や四柱推命などあらゆる東洋占術の根本理論となる八卦、河図、洛書などを含んだ根本理論です。

「易占」は易の理論を利用した卜占の総称です。

「易経」は易理論を利用した卜占のうち、八卦を二つ重ね、内卦と外卦とした(8X8=)六十四卦で占う易占の方法論と、各卦の象意を解説した参考書です。

このうち、四柱推命で扱うのは「易」のみです。「易占」と「易経」は「易」の理論を使った他の占術であるため、四柱推命とは関係ありません。

当サイトでは別ラインで『易経』の解説も試みたいと思っています。

陰陽説のおさらい

四柱推命の根本理論としては、これまでに説明した太極河図洛書八卦先天図後天図が重要です。

筆者
陰陽説の説明は予想より長くなってしまいました。しかしながら、陰陽説の理解なしに五行説の理解はありえません。そして五行説の理解なしに四柱推命の理解はありえません。四柱推命は壮大です。順をおってゆっくり覚えてゆくしかありません。

五行説

五行説では宇宙は木、火、土、金、水の五つの要素が複雑に関係しあって成り立っています。それらは根本的に時間の流れと共にあります。なぜなら木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生み、木は、、といった因果関係による無限のループが五行説の前提としてあるからです。

この五行説こそが、四柱推命において最も本質的で重要な理論です。なぜなら四柱推命も同じく時間を扱う占術だからです。

陰陽説は変化を扱う理論でした。しかし陰陽説の変化は陰から陽へ陽から陰へ行き来します。そこでは一度陽となったものが陰に戻るという事もあり得ます。つまり陰陽説における時間は順行し逆行もします。しかし五行説の場合、木が火を生むことはあっても、火が木を生むことはありません。つまり常に木→火→土→金→水という一方向に進んでいきます。こうした不可逆な順行という点に置いて、五行説の考え方は我々がこの三次元世界で抗うことの出来ない時間というものの概念により近いといえます。

五行説の起源

五行説が歴史上、最初に登場する書物は『書経』です。『書経』は中国最古の文献でもあり、孔子が編著したとも言われますが、著者は定かではありません。オリジナルの『書経』は秦の始皇帝による焚書にあうなどして、散逸してしまいました。

オリジナルの『書経』は100篇にも及ぶ大掛かりな書物で、現在は58篇が伝えられています。

この58篇ですが、口伝で伝えられていた情報を基にした、あるいは孔子の旧宅の壁の中から十六篇が発見された、あるいは偽作などが流通した事実もあり、真偽は定かではありません。

このように『書経』全体としては、不完全な状態でありますが、しかしながら、五行説に関して書かれた部分については、私は信憑性があると思っています。もし偽書であったとしても、書経に記されている五行説に関する言及は、その特徴を的確に捉えています。

五行。一に曰く水、二に曰く火、三に曰く木、四に曰く金、五に曰く土。水は潤下し、火は炎上し、木は曲直し、金は従革し、土は稼穡する。出典:『書経』
波木星龍・著『四柱推命の謎と真実』(八幡書店)より

五行それぞれの特徴

さて、それでは『書経』に記された五行それぞれの特徴について解説します。ここでは主な特徴と代表的な象意をご説明します。これを理解する事で五行それぞれの主体性を踏まえた四柱推命の判断が出来るようになります。

木は曲直(きょくちょく)

木の幹はまっすぐ伸び、枝は湾曲しながら成長します。

木は水をたっぷり吸って育ち(水に生じられ)、火が燃える材料となり(火を生じ)、大地に根を張り養分を吸い取ります(土を剋す)。まっすぐと、あるいはくねりながら天に向かってゆっくりと少しずつ伸びてゆきます。その成長のスピードは非常にゆるやかでありつつ、着実です。

【象意】緩やかな成長。頑固。折れると元に戻らない。マイペース。始まり。

火は炎上(えんじょう)

火は炎となって燃え上がります。

火は木を燃料に燃えさかり(木に生じられ)、灰を生じ(土を生じ)、鉱石や金属を溶かします(金を剋す)。火は実体を持たないも、確かにそこに存在し、人の生活の拠り所となることから、しばしば精神世界を象徴します。メラメラと明るい光を放ち周囲を照らします。

【象意】変化が激しい。勢いが盛ん。精神世界。不安定。創造。破壊。

土は稼穡(かしょく)

※稼穡..農業のこと。穀物の植え付け、取り入れ、種まき、収穫など。

土は農作物を育てる土壌になります。

土は火が木を燃やすことによって出来た灰であり(火に生じられ)、土中より金属の材料ともなる鉱石を出土し(金を生じ)、水を濁らせ、あるいはせき止め貯水し(水を刻し)、人の生活の土台として足元でどっしりと構えています。

【象意】動かない。他者に利益をもたらす存在。安定している。包容するさま。保守的。

金は従革(じゅうかく)

金属は加工するとどんどん形が革(あらたま)ります。

金属の材料となる鉱石は土の中から出土し(土に生じられ)、石釜に水を貯める事が出来、あるいは岩の隙間から湧き水を出し(水を生じ)、金属から刃物を作って木を切り倒すことが出来(木を剋し)、強度では木に勝る剛直な面と、さらに熱により変幻自在に形を変える事が出来る柔軟さを併せ持っています。また金は経済社会における貨幣であり、財産を象徴します。

【象意】物質的。人工的。剛直かつ柔軟。貴金属や宝石などの宝物。財産。価値あるもの。刃物。

水は潤下(じゅんげ)

水は上から下に流れます。

水は岩の隙間から湧き出し(金に生じられ)、木に潤いを与え育て(木を生じ)、燃え盛る火を消し止める(火を刻す)。水は雨として天から降り注ぎ、広範囲にその影響を及ぼし、雨雲は神出鬼没で変幻自在に形を変えます。水は手ですくうと指の間からこぼれ、掴みどころ無く、川の流れは非常に速い事から、情報を象徴します。

【象意】柔軟。掴みどころがない。一時的なもの。広範囲。流動的。速いスピード。情報。

筆者
四柱推命では命式の個性を○○格、○○格といったように、格局に分別して論じるのですが、このうちの曲直格、炎上格、稼穡格、従革格、潤下格は『書経』から引用されたものです。

木火土金水のめぐり

五行説の五つのファクターである木火土金水のめぐり方は大きく分けて二通りあります。相生のめぐりと相剋のめぐりです。

五行説が説明される際、通常このような円と五芒星によって視覚化され論じられる。円は相生のめぐりを、五芒星は相剋のめぐりを表している。

相生(そうしょう)のめぐり

一つは木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生み、木は、、といった関係です。五つの要素は円形に配置され、相生(そうしょう)のサイクルを形成します。

相剋(そうこく)のめぐり

もう一つは木は土を侵食し、土は水を塞き止め、水は火を消し、火は金を溶かし、金は木を傷つけ、木は、、という関係です。五つの要素は五芒星の形に配置される相剋(そうこく)のサイクルを形成します。

筆者
このように、五行説では木火土金水による五角形の図形を描き、相生関係、相剋関係による多角的な因果関係として宇宙を見つめます。

五行対応表

宇宙の全ての現象の因果関係を木、火、土、金、水に代表させて論じる五行説において、あらゆる物事は五行のいずれかに配当されます。この仕組みを理解し、正確に扱うことが出来れば、問題を解決したり、エネルギーをコントロールしたりする事が出来るようになります。

四柱推命においては、命式をよく理解する事で、足りない部分を補い、良い部分をさらに強くする方法で運を調整します。その時、主に参照すのが、この五行対応表です。

すみません、準備中です。

筆者
この表は四柱推命に直接関係があります。例えばあなたが鑑定者として相談を受けた相手が悪い運の中にいた場合、運を補う手段を提示する際にはこの表が非常に役に立ちます。

五穀について

五行対応表では五穀にも木火土金水が当てはめられていますが、日本の神話にも五穀の概念は登場します。日本の神話を記した主な書物は古事記と日本書紀ですが、それぞれの示す五穀は以下の通りです。

【古事記】稲・麦・粟・大豆・小豆
【日本書紀】稲・麦・粟・稗・豆
【五行】麦・黍(もちきび)・稷(たかきび)・稲・豆

これらの三者すべて共通するものは稲・麦・豆です。

陰陽五行説

陰陽五行説は陰陽説と五行説をハイブリットさせた理論です。陰陽説と五行説は両者とも東洋思想の根幹を成しながら発展してゆく中で、自然と結びつきました。

これまでの説明の中で、陰陽説と五行説を別々に論じました。しかし読者の皆さんは既に洛書(らくしょ)を通じて陰陽説の中に五行が組み込まれている事を知っています。

洛書は陰陽説と五行説を直接結びつける接点

もう一度、洛書(らくしょ)をおさらいしましょう。以下のように洛書の中では、陰陽説を象徴する八卦と五行説の五行が同じ表の中で共存しています。

4
八卦:巽
五行:木・春
十二支:辰巳
9
八卦:離
五行:火
十二支:午
2
八卦:坤
五行:土
十二支:未申
3
八卦:震
五行:木
十二支:卯
5
八卦:なし
五行:土
十二支:なし
7
八卦:兌
五行:金
十二支:酉
8
八卦:艮
五行:土
十二支:丑寅
1
八卦:坎
五行:水
十二支:子
6
八卦:乾
五行:金
十二支:戌亥

十干十二支(じゅっかん・じゅうにし) は陰陽説と五行説のハイブリットである陰陽五行説を象徴する理論

十干と十二支はいずれも四柱推命において欠かす事の出来ない理論です。命式の作成の記事でも書いた通り、命式は時間概念を十干十二支で表した干支暦により成り立ちます。

これまで、陰陽五行説は陰陽説と五行説のハイブリット理論であるとして、両者の要点をご紹介しましたが、十干十二支はハイブリットとしての陰陽五行説を象徴する高度な理論を持ちます。

また十干十二支は四柱推命の核でもあるため、十干十二支に対する理解は、四柱推命の判断に大きく左右します。それゆえ入念に説明せねばなりません。

それでは、次回は先ず十干についてご説明いたします。

参考文献

現代に息づく陰陽五行

四柱推命の謎と真実

四柱推命の教科書

完全独習可能なテキストとして、続きは絶賛執筆中です。

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かずひさ

宗教家。 代々神主の家系に生まれ、とある神社の神主として神に仕えている。 また、高野山真言宗にて得度した行者でもある。 10代の頃から霊聴を聴くようになる。 2016年、自己流でのチャクラ修行に失敗し、その報いとしてバセドウ病を患い、発見された時は末期で死の寸前だった。 何がダメだったのかを自分なりに反省し、気を取り直して修行を再開。 2016年11月、止観瞑想の末、身体の浮遊を体感、赤い曼荼羅を見る。 2017年4月大日如来の教えに導かれて悟りを開き、「空」の意味を理解する。 それは単に「無」の意味ではない事がわかった。 また、私が開いた悟りは仏の悟りのほんの第一段階に過ぎない事も理解している。