【四柱推命】十干について – 太陽神霊を宿した10の数霊

四柱推命では干支暦(えとれき)を用います。

 

干支(えと)とは十干(じゅっかん)と十二支(じゅうにし)が上下に組み合わさったものです。

干支暦とは、それを時間概念に用いたものです。

 

例えば2020年なら「庚子」年です。

十干が「庚」。

十二支が「子」になります。

 

今回は干支暦を構成する十干と十二支のうち、十干についてご説明したいと思います。

十干とは?

十干は「甲」「乙」「丙」「丁」「戊」「己」「庚」「辛」「壬」「癸」の十個のエネルギー体です。

 

前回は『陰陽五行説』について説明しました。

その中で少し触れましたが、五行(木火土金水)に陰陽が結びつくことにより、十種類のエネルギーが生まれます。

それが十干です。

 

すなわち、

  1. 甲(きのえ・コウ):陽の木
  2. 乙(きのと・オツ):陰の木
  3. 丙(ひのえ・ヘイ):陽の火
  4. 丁(ひのと・テイ):陰の火
  5. 戊(つちのえ・ボ):陽の土
  6. 己(つちのと・キ):陰の土
  7. 庚(かのえ・コウ):陽の金
  8. 辛(かのと・シン):陰の金
  9. 壬(みずのえ・ジン):陽の水
  10. 癸(みずのと・キ):陰の水

となります。

日本語訳が秀逸

十干は日本語で、

「きのえ」「きのと」「ひのえ」「ひのと」…

と読みますが、これは

「木の兄」「木の弟」「火の兄」「火の弟」…

とも書きます。

 

つまり兄を「陽」、弟を「陰」とする、陰陽論の考え方に基づくものです。

 

これは「干支」を日本語で「えと」と読む語源にもなっています。

 

また、中国語では、甲(コウ)と庚(コウ)がかぶっていたりして、紛らわしいです。

日本語版は、例えば「かのえ」と聞けばすぐに「金の兄」であると理解でき、「陽の金」であることがわかります。

日本語訳が非常に秀逸だと言えます。

十干は1~10までの数字とリンクしている

十干は以下の通り、それぞれ1~10までの数字とリンクしています。

例えば契約書などで、「甲は云々」、「乙は云々」といった記述をするのを御存知だとおもいます。

これは、「甲」や「乙」には数字的な意味があり、①②のように、代数として用いているのです。

四柱推命における十干の重要性

四柱推命において、日主は自分自身を表します。

日主は生まれた「日」の十干が日主になります。

例えば次のような命式の場合、丙が日主です。

岸本和寿

1985年9月24日14時10分(補正時刻:14時20分)
大阪府大阪市

鑑定の際、日主の性格を読み解くにあたって、十干の意味を理解していなくてはなりません。

また、日主から見た、他の柱の十干との関係や、行運における十干からの影響を見る上で、十干それぞれの意味を理解している事はとても重要です。

日主の十干からその人自身の性格を知る

例えば、上の命式ですと、日主は丙(陽の火)ですので、太陽を表します。

太陽は唯一無二で自身から強いエネルギーを放出します。

性格は明るく、精神的です。

このように見ます。

 

日主を見る際の十干の読み方を極めてゆけば、日主を見るだけで、その人の基本的な性格を知る事が出来ます。

日主からおおまかな性格を見た上で、他の柱や行運を見ながら、深く推命を掘り進めてゆくのです。

 

十干にまつわる神話

陰陽五行説』の回で説明したとおり、十干は五行(木火土金水)が陰陽に分かれる事で生まれた十個のエネルギー体であることがわかりました。

 

しかし、実は、それ以前に十干は十干として存在しました。

五行(木火土金水)が陰陽に分かれた時に、もともとあった十個の神秘的な文字として、十干がそこに当てはめられたに過ぎません。

 

ここでは、十干にまつわる都市伝説的な神話に迫りたいと思います。

10個の太陽神霊

実は、十干の成り立ちには非常に神秘的な物語が背景にあります。

古代中国において、太陽神霊は10個あり、10日ごとに巡回すると信じられていました。

 

殷王朝において、王朝一族の男子の名前には十干のいずれかの文字が付されていた事とも関連があります。

殷の王は天子であり、太陽神を祖先とした神の子であるため、王族の子が生まれた日の十干が王名に付されたのです。

 

そもそも、この頃に「日」という時間概念に「日」という文字が当てはめられた事からも、「太陽の運行」と時間概念としての「日」との関連が強かった事を示しています。

「日」は太陽を表す象形文字だからです。

宇宙は1~10までの数字で説明できる?

数学者のホーキング博士は宇宙の全ては数学で解き明かす事が出来ると説きました。

そのあらゆる計算や公式の根幹をなす要素が1~10までの10個の数字だとするなら、十干理論はまさに宇宙の法則にまで言及できる、科学的な意味を持った理論であるといえます。

 

人が物の数を数えたり、計算を行ったりする際、10進法が用いられます。

十進法とは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10と循環する、いわゆる普通の数字の事です。(0は10系に属する)

1~10まで数えたら、つぎは10と1の組み合わせである11、10と2の組み合わせである12と上がってゆきます。

それ以降の数字はどこまでいっても1~10までの組み合わせです。

 

この十進法は人間にとって最も扱いやすい法則で、足し算、引き算、掛け算、割り算などあらゆる計算方法に対応しています。

 

十進法以外には2進法や16進法など、様々ありますが、多くはコンピューターのプログラムに用いられるためのものだったり、我々の生活とは馴染みの薄い法則です。

あらゆる数学の公式が10進法をベースに成り立っているのは、人間の脳が最も理解しやすい法則だからです。

 

ちなみに、陰陽論は2進法の考え方だと言われて、陰と陽がそれぞれ「0」と「1」に当てはめられるといわれています。

さらに陰陽論から派生した「八卦(はっけ)」には「ビット」の概念が用いられています。

これについては陰陽論の記事で詳しくご説明しました。

 

古代人が最新のコンピューターテクノロジーである、2進法やビットの存在を知っていたことが驚きです。

神、あるいは宇宙人と繋がっていた?

と思えるほどです。

十干と十種神宝との関連

十個の太陽神霊に対する信仰と、日本の神道における十種神宝の信仰は完全にシンクロしています。

 

十種神宝(とくさのかむたから)とは『先代旧事本紀』の中で、天照大神が人に授けた十種類のアイテムで、これを用いれば、死者すらも蘇るといわれます。

 

天照大神といえば太陽神です。

太陽神が授けた十種類の宝、これは神道的な概念でいえば、この宝は天照大神の別け御霊であり、天照大神の分身です。

 

すなわち十種神宝は10個の太陽神霊であり、

これは先ほど紹介した、中国の神話における十個の太陽神霊と根本的な考え方において一致します。

 

ちなみに、石上神宮に伝わる『十種神宝大祓』には「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」という文言が登場します。

これはアマテラス大神が十種神宝を数える際、「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」と数えたという伝説が元になっています。

 

アマテラス大神が十種神宝を人に与えたということは、人に「数」の概念を授けたということなのでしょうか?

あらゆるテクノロジーは「数」をベースに成り立っています。

人類は「数」の知識を用いて高度なテクノロジーを築きあげました。

 

その「数」が太古の昔に神から与えられたものだとしたら?

つまり、我々人類はインテリジェント・デザインの輪の中にいるという事なのでしょうか?

 

大陸(中国・朝鮮)からやってきたはずの十干理論が日本の神話とも接点があるなんて、驚きですよね。

天から降り注ぐ太陽神霊は身体の各部に宿る

「甲」「乙」「丙」「丁」「戊」「己」「庚」「辛」「壬」「癸」はそれぞれ最古の漢字である甲骨文字に起源があります。

『説文』によれば十干はそれぞれ、身体の部位を表した文字だったようです。

この事からいえるのは、天から降り注ぐ太陽神霊は身体の十個の部位を司っているということです。

各十干が身体のどの部位を表すのかは、後述の『十干それぞれの意味と日主の性格』の中でまとめます。

【まとめ】日主を自分自身として見る理由

四柱推命の四つの柱のうち、なぜ日主を自分自身と見て、特別視するのでしょうか?

これについて、これまでの説明を踏まえ、要点をまとめると次の通りです。

  • 四柱のうち「日柱」だけが太陽と関連が深い十干系に属するため
  • 王が太陽の子孫であるという信仰
  • 王を主人公として占う東洋占術の伝統

四柱のうち「日柱」だけが太陽と関連が深い十干系に属するため

四柱推命の命式をなす「年」「月」「日」「時」の四つの柱のうち、「年」「月」「時」が十二支系に属し、「日」だけが仲間はずれで、十干系に属します。

これについては干支暦の記事で詳しく説明します。

この事だけ見ても、日柱天干である日主が特別な意味を持っていることがわかります。

王が太陽の子孫であるという信仰

殷王朝で、王の名に生まれた日の十干の文字が付されていたことからもわかる通り、中国では、古来より王は天子、つまり天の子として、太陽の子孫であると信じられてきました。

この事は日本の天皇が天照大神の子孫であるという神話とも通じます。

つまるところ、王は民に対して特別な存在でなければなりません。

その為には、王の上にさらに大きな存在として、神を位置づける事で、王のバックには神がいるという威力を民に知らしめるのが、最も効果的でした。

神の下に王がいて、王の下に民がいる。

こうした構図を意図的に作りあげることで、王を神に近い存在に押し上げ、人心をコントロールする事ができたのです。

王を主人公として占う東洋占術の伝統

古代中国では占いを行うのは王の役目でした。

甲骨文字は占いの際に占いの記録として記された文字ですが、誰が占ったかも記されています。

それを見ると、甲骨文字の占いは大部分が王自らにより行われていた事がわかります。

その他にも専属の占い師が占いを行った記録がありますが、あくまでも王の代理として行うもので、国の運は王の運と一蓮托生であるという考えから、一国の未来を左右する占いは王が率先して行うものだったのです。

占いは王のためにある

易経にもいえることですが、東洋占術の根底的な思想に、占いを行う主は誰か?占いは誰のためにあるのか?という問いについて、占いは王自らが行い、王のためにあるという思想があります。

徐子平(じょ・しへい)が日主を自分自身と見る子平推命(現行の四柱推命)を解いたのは、もっと後の話ですが、日主が太陽神霊を象徴するものであり、太陽神の子孫である王自身であるとする発想は、東洋占術の伝統に即しているといえます。

王=太陽神霊を宿した天子=日主として、王の吉凶を占うというモデルとして設計されているからこそ、四柱推命は合理的な占術なのであり、「四柱推命はよく当たる」といわれる所以なのです。

王が太陽の子孫なら全ての人が太陽の子孫

占いが王のためにあるというのはあくまでも遠い過去の封建社会、郡県社会の伝統であり、ある意味で観念的なものに過ぎません。

つまるところ、実際には王は特別な立場にあっても、人間を超えた超生命体ではありません。

王とて、一般人と同じ条件の身体を持ち、同じように衣食住を行い、怪我もし、病気に侵され、寿命がくれば死にます。

立場上は王でも中身は普通の人間です。

何が言いたいのかというと、王が太陽の子孫なら全ての人が太陽の子孫であるということです。

全ての人が自分の人生において王なのです。

ですから、王と同じように、全ての人が十種類の太陽神霊のうちいずれかを持って生まれているということです。

それゆえ、四柱推命は王だけのものではなく、全ての人にとって有用な占術であり、人が日主の十干を自分自身としてみる事で、人生の吉凶禍福を推し量る事が出来るのです。

十干それぞれの意味と日主の性格