かずひさ

土用(どよう)とは?土用の土いじりは危険!?

結論から言うと「土用」とは四季の変わり目に季節のエネルギーが衰退した期間を指します。

なぜ土用が季節の変わり目なのか?

今回はその成り立ちから順を追って簡潔に説明できればと思います。

まず日本には四季があります。四季の概念では一年を四つ分け、春夏秋冬が当てはめられます。

旧暦では立春(2月4日前後)を起点としておおよそ春は2月~4月、夏は5月~7月、秋は8月~10月、冬は11月~1月とされます。

四季は陰陽五行説で説明される

東洋哲学では、季節にはそれぞれ象徴的なエネルギーがあるとされます。

そのエネルギーは陰陽五行説で説明されます。

陰陽五行説とは簡単に言えば森羅万象は五つの要素で説明できるという概念です。

五つの要素とは「木」「火」「土」「金」「水」で、これを総称して、あるいはこれらのうち一つ一つの代名詞として「五行」と呼ばれます。

春は草木が芽吹くので、「木」の五行が当てはめられます。

夏は気温が最も暑くなるので、「火」の五行が当てはめられます。

秋は金色に紅葉するので、「金」の五行が当てはめられます。

冬は寒いので、冷たさを象徴する「水」の五行が当てはめられます。

しかしここには「土」がありません。

「土」の五行が一年間のどの時期に当てはまるのかという問いに対して、明確な答えがあります。

それでは季節ごとの推移を見て見ましょう。

グラフでわかりやすく

例えば春から夏に変わる時期、木のエネルギーが徐々に衰え、火のエネルギーへと推移します。

この時二つのエネルギーが交差する時期、すなわち春が衰え、夏がまだ本領ではない、その中間時期には二つのエネルギーが相殺され落ち込む時期があります。

このイメージをグラフで表すと次のようになります。

季節と季節の間の時期が谷折れになっていることがわかります。

この期間には下方に潜んでいるエネルギーが表出しています。

ここに「土」の五行が当てられ、土が旺じるので「土旺用事(どおうようじ)」略して「土用」と名づけられました。

こうした季節と季節の接続は年に四回あるため、土用は年に四回あることになります。

一回の土用はおおよそ18日間です。

土用の日数を計算

各季節の土用は18日間ありますが、この日数は次のような計算で求められます。

先ず、1年を陰陽五行説に基づき5で割ります。

1年(365日)÷5(陰陽五行)=73日

1つの季節につき73日あることがわかりました。次に、春夏秋冬はそれぞれ73日間でそのまま、土用は年四回に分散されるため、土用については73日を4で割ります。

73日÷4=18.25

一回の土用はおおよそ18日になることがわかります。

土用入りの時刻

土用入りの時刻は毎回異なります。

上記の計算では土用の日数は18日という数字が割り出されましたが、実際には土用のある月、太陽の視黄経が27度になった時から次の月の節までとされています。

その日数もおおよそ18日になります。

12

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

上の円グラフは一年における土用の配置を可視化したものです。辰(4月)、未(7月)、戌(10月)、丑(1月)の一部が土用になっていることがわかります。

下の表は干支暦の月と新暦の月の対応表です。

これはあくまでもおおよその対応です。

正確には例えば2018年なら寅月は2月4日6時29分の立春から3月6日0時28分までです。

つまり2月1日の時点ではまだ卯月です。

こうした節入りの日付と時刻は神社や書店で手に入る『暦(こよみ)』に詳しく載せられています。

春は寅(2月)、卯(3月)、辰(4月)の途中まで。

春の土用は辰(4月)の途中から約18日間。

夏は巳(5月)、午(6月)、未(7月)の途中まで。

夏の土用は未(7月)の途中から約18日間。

秋は申(8月)、酉(9月)、戌(10月)の途中まで。

秋の土用は戌(10月)の途中から約18日間。

冬は亥(11月)、子(12月)、丑(1月)の途中まで。

冬の土用は丑(1月)の途中から約18日間。

土用の期間を知るには

土用入りの正確な時刻は神社や書店で手に入る『暦(こよみ)』に記載されています。

また過去の土用が知りたいのであれば国立天文台のホームページから過去の暦をダウンロード出来ます。

暦を使えばわざわざ計算しなくても、土用入りの時刻を一覧する事ができます。

夏の土用は土のパワーが最も強い

土用が年に四回あるといっても、一般的に土用といえば夏。

夏の土用が最もポピュラーです。

日本では夏の土用の丑の日にうなぎを食べる習慣があります。

土用は年に四回あるのになぜ夏の土用が強調されるのでしょうか?

その理由は四つの土用のうちで、最も強い「土」のエネルギーを持つのが7月夏の土用だからです。

その理由は、やはり陰陽五行説の基本的な概念にあります。

先ほど説明した陰陽五行説、「木」「火」「土」「金」「水」はそれぞれの間に相互作用があります。

「木」は「火」を生み、「火」は「土」を生み、「土」は「金」を生み、「金」は「水」を生む、相生関係。

もう一つは「木」は「土」を剋し、「土」は「水」を剋し、「水」は「火」を剋し、「火」は「金」を剋し、「金」は「木」を剋す、相剋関係。

このうち相生関係とは前者が後者を助け強める関係で、「火」は「土」を助け、強めます。

夏は「火」で、土用は「土」のため、7月の土用は夏の暑さに助けられ、強められます。

したがって、土用として最もエネルギーが強いのが夏の土用になります。

土用には土いじりをしてはいけない

昔から土用には土を動かしてはいけないといいます。

この記事のように、土用を理論的に解釈するに伴い、人はどうしても傲慢になります。

こうした謂れは迷信ではないかと思い始め、「まあ、いいか」と土いじりをしてしまうのです。

わかっていながら。

しかし…

土用に土いじりすると本当に災いが起こるよ

私の身の回りでも、土用に穴を掘って腰を痛めた人や、土用に庭の手入れをしている最中、梯子から落ちて怪我をした人が居ます。

私自身も土用の期間に、仕事で赴いた建築工事の現場で、車を動かしていたらバンパーをこすってしまった経験があります。

ちょうど死角にブロックがあって、それにこすってしまいました。

めったに事故なんてしないのに!

このように、土用の期間に土いじりをすると、土用を司る神である、土公神の逆鱗に触れてしまいます。

土用に土いじりをしてはいけない理由

陰陽五行説では「土」には「安定」や「保守」のほか、「死」や「破滅」を象徴する働きがあります。

これは万物の循環のための不可欠な働きで、必ずしも悪ではありません。

土のエネルギーが強くなる土用にスコップなどで土を掘れば、地中に内在する強いエネルギーが放出されます。

すると、行き場を失った力は火花のように飛び火し、ややもすればそれは事故や災いとなって現出します。

このような土に刺激を与える行為を占術用語では「墓庫を開く」といいます。

つまり、土用に土をいじることは、墓を暴くような禁忌的行為なのです。

うなぎを土用の丑の日に食べる理由

なぜうなぎを食べるのか?

陰陽五行の見地から説明を試みようとしましたが、ダメでした。

なんで??

調べてみました。

結果、江戸時代の有名な発明家の平賀源内さんが作った習慣だそうです。

ある時、平賀源内さんがうなぎ商からの依頼でコンサルティングを請け負いました。

そこで、丑(うし)の「う」がうなぎの「う」に通ずるにあやかり、「土用の丑の日」と「うなぎ」を関連付けた宣伝を行った結果、ヒットしたというエピソードがあるようです。

夏にうなぎを食べると元気が出ますし、美味しいですよね。

土用には庭の手入れはお休みして、うなぎをたべましょう。



かずひさ

かずひさ

宗教家。 代々神主の家系に生まれ、とある神社の神主として神に仕えている。 また、高野山真言宗にて得度した行者でもある。 10代の頃から霊聴を聴くようになる。 2016年、自己流でのチャクラ修行に失敗し、その報いとしてバセドウ病を患い、発見された時は末期で死の寸前だった。 何がダメだったのかを自分なりに反省し、気を取り直して修行を再開。 2016年11月、止観瞑想の末、身体の浮遊を体感、赤い曼荼羅を見る。 2017年4月大日如来の教えに導かれて悟りを開き、「空」の意味を理解する。 それは単に「無」の意味ではない事がわかった。 また、私が開いた悟りは仏の悟りのほんの第一段階に過ぎない事も理解している。