かずひさ

神道ではなぜ榊(さかき)を使うのか?

榊(さかき)という言葉の意味

榊(さかき)の「さか」とは境(さかい)の「さか」です。

境とはある場所とある場所の境目の意味があります。

神社とは簡潔にいえば、この世とあの世の境です。

鳥居をくぐる前の世界はこの世です。

神社の本殿の向こう側はあの世です。

鳥居をくぐった後、本殿より手前の神社の土地、この世とあの世の境目です。

神社の土地を「けいだい」と呼び、「境内」と書くのはそのためです。

つまり神社の境内というのはこの世とあの世の境(さかい)です。

榊はこの世とあの世の間の境(さかい)で、人と神をつなぐ役割を果たすための木ですから、「榊(さかき)」と呼ぶのです。

榊は神道の祭祀において中心的な役割を担う

  • 神霊の依り代
  • お祓いのための大麻
  • 玉串
  • 神前の両脇に据える

これらすべてに榊が使われます。

榊は神道の祭祀において、極めて中心的な位置に据えられ、榊無くしては祭祀は成り立たないほどに、重要な存在です。

神霊の依り代

榊は神霊の依り代としての機能を持ちます。

依り代は神と人の間に置かれ、神主は依り代に神霊を降ろして神を祭ります。

榊で作られた依り代は、現代では主に、地鎮祭など、神社外での祭祀において使用されています。

お祓いのための大麻

神道ではあらゆるものを霊的に清める事を「お祓い」といいます。

お祓いの際に神主が使用する大麻には大きく分けて二種類あります。

木の棒に紙垂(しで)を取り付けた大麻と、榊に紙垂(しで)を取り付けた大麻です。

このうち神社に常設されているものはほとんどの場合、前者ですが、本来は後者が基本形です。

榊に紙垂(しで)を取り付けた大麻が見られるのは稀ですが、地鎮祭などの、神社外部の祭祀において見られます。

玉串

神道の祭祀の中心を担う榊のうち、もっともポピュラーなものが玉串(たまぐし)です。

神社でご祈祷などを受けた際に、玉串奉奠(たまぐしほうてん)をされた事がある方はご存知でしょう。

また、祈祷料を納める際には封筒に「玉串料」と書きます。

玉串とはすなわち代替貨幣(トークン)です。

その祭祀に差し出した時間(命)、財産(玉串料)、そして神前に額突くまごころを表したものです。

それらを「玉串を奉る」という行為に集約して、神前に供えるのです。

神前の両脇に据える

ご神前の両脇に榊が立てられているのを見たことがあると思います。

自宅で神棚を祭る際にも、専用の榊立てに水を入れ、花屋などで売られている榊を立てて供えます。

これまでの説明から、お分かりかも知れませんが、この榊には神前の見栄えを良くする以上の意味があります。

単なる飾り物ではなく、そこがこの世とあの世の境である事を示す標識になっているのです。

その起源は神話『天の岩戸開き』にある

ある時、アマテラスオオミカミはスサノオノミコトの乱暴に傷心し、岩の中に隠れてしまいます。

アマテラスオオミカミは太陽神ですから、この神が岩の中に隠れるということは、地上に光がもたらされないということになります。

すると闇が世界を覆い、あらゆる災厄が起こりました。

そこで神々はアマテラスオオミカミに岩の中から出てきてもらうべく祭りを行います。

これが『天の岩戸開き』です。

その『天の岩戸開き』の祭祀の中で使われたのが榊です。

榊はアマテラスオオミカミのいる天の岩戸と祭祀を行う神々との間に設置されました。

その前で斎主を担う神(藤原氏の先祖)が祝詞を奏上しました。

現在の神道の祭祀はこの『天の岩戸開き』の祭祀形態を受け継いでおり、『天の岩戸開き』を基準として様式化されたものです。

神の前に榊を立て、その前で神主が祝詞を奏上するという位置関係はまさに『天の岩戸開き』そのものです。

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かずひさ

かずひさ

宗教家。 代々神主の家系に生まれ、とある神社の神主として神に仕えている。 また、高野山真言宗にて得度した行者でもある。 10代の頃から霊聴を聴くようになる。 2016年、自己流でのチャクラ修行に失敗し、その報いとしてバセドウ病を患い、発見された時は末期で死の寸前だった。 何がダメだったのかを自分なりに反省し、気を取り直して修行を再開。 2016年11月、止観瞑想の末、身体の浮遊を体感、赤い曼荼羅を見る。 2017年4月大日如来の教えに導かれて悟りを開き、「空」の意味を理解する。 それは単に「無」の意味ではない事がわかった。 また、私が開いた悟りは仏の悟りのほんの第一段階に過ぎない事も理解している。