五行説 – 五行の性質を分析する

五行説では宇宙は木、火、土、金、水の五つの要素が複雑に関係しあって成り立っています。

それらは根本的に時間の流れと共にあります。

なぜなら木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生み、木は、、といった因果関係による無限のループが五行説の前提としてあるからです。

この五行説こそが、四柱推命において最も本質的で重要な理論です。

なぜなら四柱推命も同じく時間を扱う占術だからです。

 

陰陽説は変化を扱う理論でした。

しかし陰陽説の変化は陰から陽へ陽から陰へ行き来します。

そこでは一度陽となったものが陰に戻るという事もあり得ます。

つまり陰陽説における時間は順行し逆行もします。

しかし五行説の場合、木が火を生むことはあっても、火が木を生むことはありません。

つまり常に木→火→土→金→水という一方向に進んでいきます。

こうした不可逆な順行という点に置いて、五行説の考え方は我々がこの三次元世界で抗うことの出来ない時間というものの概念により近いといえます。

五行説の起源

五行説が歴史上、最初に登場する書物は『書経』です。『書経』は中国最古の文献でもあり、孔子が編著したとも言われますが、著者は定かではありません。

オリジナルの『書経』は秦の始皇帝による焚書にあうなどして、散逸してしまいました。

オリジナルの『書経』は100篇にも及ぶ大掛かりな書物で、現在は58篇が伝えられています。

この58篇ですが、口伝で伝えられていた情報を基にした、あるいは孔子の旧宅の壁の中から十六篇が発見された、あるいは偽作などが流通した事実もあり、真偽は定かではありません。

 

このように『書経』全体としては、不完全な状態でありますが、しかしながら、五行説に関して書かれた部分については、私は信憑性があると思っています。

もし偽書であったとしても、書経に記されている五行説に関する言及は、その特徴を的確に捉えています。

五行。一に曰く水、二に曰く火、三に曰く木、四に曰く金、五に曰く土。水は潤下し、火は炎上し、木は曲直し、金は従革し、土は稼穡する。出典:『書経』
波木星龍・著『四柱推命の謎と真実』(八幡書店)より

五行それぞれの特徴

さて、それでは『書経』に記された五行それぞれの特徴について解説します。

ここでは主な特徴と代表的な象意をご説明します。

これを理解する事で五行それぞれの主体性を踏まえた四柱推命の判断が出来るようになります。

木は曲直(きょくちょく)

木の幹はまっすぐ伸び、枝は湾曲しながら成長します。

木は水をたっぷり吸って育ち(水に生じられ)、火が燃える材料となり(火を生じ)、大地に根を張り養分を吸い取ります(土を剋す)。

まっすぐと、あるいはくねりながら天に向かってゆっくりと少しずつ伸びてゆきます。その成長のスピードは非常にゆるやかでありつつ、着実です。

【象意】緩やかな成長。頑固。折れると元に戻らない。マイペース。始まり。

火は炎上(えんじょう)

火は炎となって燃え上がります。

火は木を燃料に燃えさかり(木に生じられ)、灰を生じ(土を生じ)、鉱石や金属を溶かします(金を剋す)。

火は実体を持たないも、確かにそこに存在し、人の生活の拠り所となることから、しばしば精神世界を象徴します。メラメラと明るい光を放ち周囲を照らします。

【象意】変化が激しい。勢いが盛ん。精神世界。不安定。創造。破壊。

土は稼穡(かしょく)

※稼穡..農業のこと。穀物の植え付け、取り入れ、種まき、収穫など。

土は農作物を育てる土壌になります。

土は火が木を燃やすことによって出来た灰であり(火に生じられ)、土中より金属の材料ともなる鉱石を出土し(金を生じ)、水を濁らせ、あるいはせき止め貯水し(水を刻し)、人の生活の土台として足元でどっしりと構えています。

【象意】動かない。他者に利益をもたらす存在。安定している。包容するさま。保守的。

金は従革(じゅうかく)

金属は加工するとどんどん形が革(あらたま)ります。

金属の材料となる鉱石は土の中から出土し(土に生じられ)、石釜に水を貯める事が出来、あるいは岩の隙間から湧き水を出し(水を生じ)、金属から刃物を作って木を切り倒すことが出来(木を剋し)、強度では木に勝る剛直な面と、さらに熱により変幻自在に形を変える事が出来る柔軟さを併せ持っています。

また金は経済社会における貨幣であり、財産を象徴します。

【象意】物質的。人工的。剛直かつ柔軟。貴金属や宝石などの宝物。財産。価値あるもの。刃物。

水は潤下(じゅんげ)

水は上から下に流れます。

水は岩の隙間から湧き出し(金に生じられ)、木に潤いを与え育て(木を生じ)、燃え盛る火を消し止める(火を刻す)。

水は雨として天から降り注ぎ、広範囲にその影響を及ぼし、雨雲は神出鬼没で変幻自在に形を変えます。

水は手ですくうと指の間からこぼれ、掴みどころ無く、川の流れは非常に速い事から、情報を象徴します。

【象意】柔軟。掴みどころがない。一時的なもの。広範囲。流動的。速いスピード。情報。

筆者
四柱推命では命式の個性を○○格、○○格といったように、格局に分別して論じるのですが、このうちの曲直格、炎上格、稼穡格、従革格、潤下格は『書経』から引用されたものです。

木火土金水のめぐり

五行説の五つのファクターである木火土金水のめぐり方は大きく分けて二通りあります。

相生のめぐりと相剋のめぐりです。

五行説が説明される際、通常このような円と五芒星によって視覚化され論じられる。円は相生のめぐりを、五芒星は相剋のめぐりを表している。

相生(そうしょう)のめぐり

一つは木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生み、木は…といった関係です。

五つの要素は円形に配置され、相生(そうしょう)のサイクルを形成します。

相剋(そうこく)のめぐり

もう一つは木は土を侵食し、土は水を塞き止め、水は火を消し、火は金を溶かし、金は木を傷つけ、木は…という関係です。

五つの要素は五芒星の形に配置される相剋(そうこく)のサイクルを形成します。

筆者
このように、五行説では木火土金水による五角形の図形を描き、相生関係、相剋関係による多角的な因果関係として宇宙を見つめます。

五行対応表

宇宙の全ての現象の因果関係を木、火、土、金、水に代表させて論じる五行説において、あらゆる物事は五行のいずれかに配当されます。

この仕組みを理解し、正確に扱うことが出来れば、問題を解決したり、エネルギーをコントロールしたりする事が出来るようになります。

四柱推命においては、命式をよく理解する事で、足りない部分を補い、良い部分をさらに強くする方法で運を調整します。

その時、主に参照すのが、この五行対応表です。

すみません、準備中です。

筆者
この表は四柱推命に直接関係があります。例えばあなたが鑑定者として相談を受けた相手が悪い運の中にいた場合、運を補う手段を提示する際にはこの表が非常に役に立ちます。

五穀について

五行対応表では五穀にも木火土金水が当てはめられていますが、日本の神話にも五穀の概念は登場します。

日本の神話を記した主な書物は古事記と日本書紀ですが、それぞれの示す五穀は以下の通りです。

【古事記】稲・麦・粟・大豆・小豆
【日本書紀】稲・麦・粟・稗・豆
【五行】麦・黍(もちきび)・稷(たかきび)・稲・豆

これらの三者すべて共通するものは稲・麦・豆です。